風が強く吹いている 【称号:佳作】

寛政大学4年生のハイジはある日、貧乏な新入生カケルを陸上部の寮・竹青荘に連れてきた。カケルはかつて天才ランナーと呼ばれたが、今は陸上部に所属していない。竹青荘の寮長も務めるハイジはカケルに対し、陸上部入部などを条件に家賃格安の竹青荘への入寮を許可。そしてここからハイジの野望が始動する。(gooより抜粋)
直木賞作家・三浦しをんさんの原作小説を映画化。話が出来すぎてるのはわかってんだけどこの手のスポ根ドラマには弱いのです。
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以前、「シャカリキ」という自転車スポーツを描いたスポ根ドラマがあったけど本作もあんな感じかな。大森寿美男監督はこれがデビュー作ということで演出やストーリー運びもどこかぎこちない。箱根駅伝のシーンは臨場感があったけど。
ダメダメなチームメンバーが一丸となって高い目標に向かっていくというこの手のスポ根の定番中の定番。本当にダメなヤツばかりではリアリティがないから天才肌のエースが二人いるという設定。そのうちの一人であるカケル(林遣都)の視点で物語が展開していく。
お正月といえば箱根駅伝。僕は出身大学が関与してないのであまり興味がないけどこの世界もなかなか熾烈であるらしい。厳しい予選に勝ち抜いて箱根の舞台に立てるのはわずかに20校ほど。往路と復路に分けて2日間で行われる。コースも上り坂だったり下りだったり市街地だったりとバラエティがあるので誰がどのコースを走るのかという人選も勝つためには重要な戦略となる。この映画で箱根駅伝の面白さは伝わってくる。
まずはなんといってもチームリーダーでもあるハイジの魅力だろう。スポ根ドラマは自分のために頑張ることを主体としたものが多いけど、この作品でメンバーたちはハイジのために頑張る。ボロ寮生活を送る彼らはどうも周囲になじめない連中ばかりのようで自分たちの居場所はそこしかない。そんな彼らが生活しやすいように食事を作り彼らの生活管理をしてきたのはハイジだ。メンバーたちは自分たちに献身的に尽くしてくれたハイジに恩返しをしたいと思っている。
それだけにこのハイジというキャラクターに魅力がなければこの作品は一気に破綻する。しかしハイジ役の小出恵介くんは見事に応えてくれた。途中、堤真一やジェット・リーに見えてしょーがないシーンもあったけど絶対的に応援したくなるキャラクターだ。
あとはもうなんのひねりもなくスポ根の王道をひた走ってくれる。彼らの結束や成長ぶりもとんとん拍子だ。優勝校のエース級の実力を持つカケルもいるので他の連中がそこそこやってくれれば結果もついてくるというお手軽さ。まあ、しょーじきいって箱根駅伝はまともなコーチもいない彼ら程度の訓練や実力では出場すらほど遠いのが現実だと思うけどそれを言ったらおしまいよ。
総じてさわやかで気持ちのいい映画だった。こういう映画はシンプルでストレートがいいのかもしれない。あまりにもとんとん拍子で挫折らしい挫折がほとんどない。そこらへんが今ひとつ凡庸の壁を突き抜けられない原因でもある。まあ、冒険はせずそこそこのソフトランディングといった案配だ。
上映時間が長いのだからもう少しひとりひとりのキャラクターは掘り下げられたんじゃないかな。特にライバルたちの描写がおざなりだ。せっかくひとくせある魅力あるライバルを登場させておきながら生かされないのはもったいない。彼らが勝てるというリアリティに随分と欠けるという最大の欠点はあるけど今回は不問にしましょう。(62点)

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コメント
シャカリキよりは安心して楽しめました。
投稿: サブちゃん | 2009年11月 7日 (土) 22時01分