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MW ムウ 【称号:拙作】

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16年前にとある島で起きた虐殺事件の生き残りである結城と賀来。神父となった賀来は、エリート銀行員という仮面を被り、凶悪犯罪を重ねる結城の犯行を阻もうとするも翻ろうされる。そして遂に結城は世界を滅ぼそうとする。(MovieWalkerより抜粋)

手塚治虫の原作を玉木宏×山田孝之主演で映画化。それにしてもテレビ局主導の映画ってどうしてこうも出来が悪いんでしょう……。
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深遠なテーマをはらみながら社会や人間の闇を描く手塚治虫作品。原作は読んでないが生々しい猟奇殺人や同性愛など30年前の漫画としてはかなり思い切った描写のある手塚作品だ。少なくとも鉄腕アトムのような子供向けではない。今どき同性愛や猟奇なんて小学生たちがフツーに楽しんでいることなので当時のような衝撃はないでしょう。

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原作を読んだことのない僕としてはこの映画を見る限り、手塚作品なんて大したものではないと思えちゃう。もちろん実際はそんなことなくて原作はもっともっと深いお話なのだ。しかしこの映画は原作の「深い」部分を片っ端から刈り取ってしまったようだ。残されたのは無駄な猟奇殺人と無駄なアクションシーンばかりなり、というわけだ。

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むしろこの映画は原作なんて最初からなかったんだよと心強く決めて鑑賞すれば楽しめないこともないかもしれない(でもちょっと厳しい) 玉木宏のクールな絶対悪もそこそこさまになっているし、山田孝之の「電車男」で鍛えたウジウジぶりも悪くないし、石橋凌さんの血圧を心配してしまいそうなアクションもかっこいい。とにかく「細けえことはいいんだよ」の気持ちで頭の中を神田うのちゃんみたいにカラッポにして赤ちゃんのようにピュアな心で見ればまあまあ楽しめる。

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脚本は気の毒になるくらい陳腐だけど、むしろこれほどまでに陳腐な脚本をここまで見られる映像にしたスタッフやキャストたちには一定の敬意を表したい。たしかに脚本はヒドイ。冒頭でバンコクでの誘拐身代金強奪にしてもやたらと手が込んでいるくせにプランは笑っちゃうほどに穴だらけだ。あんな真っ白なスーツでホテルを出ればやたらと目立つし、あのまま力業で逃げ切る計画ならわざわざ現金をすり替えたりしなくたっていいじゃんって話だ。そして本編とあまり関係のない冒頭エピソードがやたらと長い。

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あんな見通しのいい場所で米軍ヘリからの掃討銃撃を受けても走ってかわしちゃうし、銃弾が当たって死んでも米軍兵士は死体も回収しないで帰っちゃうし、手榴弾を投げ込まれてもトムとジェリーみたいに投げ返す。一事が万事こんな感じのアクションなので緊迫感がない。ただ冒頭のバンコクシーンでも分かるようにそれなりにスリリングに展開させていくのでバカバカしいながらも意外と退屈しない。

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だけどオリジナル脚本ならともなくあの手塚治虫作品を扱うのだから原作に対するリスペクトが必要だろう。少なくとも映画のようなスカスカで軽薄なものではなかったはずだ。「ブラックジャック」から医の倫理や哲学といったテーマを省けばただの意地悪お医者さんごっこになってしまう。本作はそんな印象を受けた。だいたい主人公二人の関係がよく分からない。原作では同性愛者ということになっているようだが、俳優のイメージ保護のためか明確にしていない。だから山田演じる賀来がどうして結城の犯罪に荷担していくのかさっぱり伝わってこない。そもそも結城自身の世界を滅ぼそうとする行動原理があまりにも安直だ。

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この説得力のなさは原作で描かれる本来の「深み」を省いているからだろう。あまり大人向けに作ってしまっては若者がついてこれないという視聴率至上主義のテレビマンらしい発想がそうさせているのかな。明らかに大人向けの漫画を子供向けに改編しているような気がする。商業性のために作品性を犠牲にするでは本末転倒だ。志の高いスタッフが手がければ原作本来の深みを引き出せたであろうに貴重な優良原作の無駄遣いだ。むしろ手塚が描こうとしていたタブーをさらにえぐってみせてほしかったくらいだ。

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まだ映画化されていない手塚作品の傑作に「アドルフに告ぐ」がある。この作品はテレビ局のドラマスタッフには手がけてもらいたくない。(48点)

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コメント

一応、映画についても↓こういう写真が公開されてますし、
玉木と山田も「裏で肉体関係がある」前提で演じるように
指示されているので、同性愛設定は残ってるんですけど、
映画だけ観てそれを理解しろというのは無理な話ですよね…。

シネマトゥデイ (2009-07-03)
禁断のエロチシズム!妖艶な玉木宏と山田孝之が絡む衝撃の1枚
http://www.cinematoday.jp/page/N0018693

投稿: MWファン | 2009年7月 8日 (水) 10時45分

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