グッドフェローズ 【称号:良作+】

ヘンリー・ヒルは幼い頃より、“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れ、12歳の時からブルックリンの街を牛耳るポール・“ポーリー”・シセロのもとで使い走りを始める。やがてヘンリーは本物のマフィアとして、強奪専門のジミー・コンウェイや、チンピラのトミー・デビートといった仲間たちと共に荒仕事に手を染める日々を送るようになる。(MovieWalkerより抜粋)
実在の人物をモデルにギャングたちの生き様を描くドラマ。「ゴッドファーザー」をはじめマフィアものを語るには外せない1本です。
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傑作が多いといわれるマフィアものの中でも特に良質な作品。監督は「ディパーテッド」でアカデミー作品賞・監督賞を受賞したマーティン・スコセッシ。はっきりいって「ディパーテッド」よりも本作の方が面白さも完成度もずっと上回っていると思う。
マフィアといえばこの人、ロバート・デ・ニーロ。最近はいろんな映画に顔を出すのでありがたみが薄くなった名優だけど、マフィアを演じさせたら水を得た魚だ。本作の上映が1990年。僕も当時劇場で鑑賞したがこの頃のデ・ニーロは脂がのりきっていた。今はおじいちゃんといった風情だけど当時はいぶし銀な色気があった。そこに立っているだけで銀幕が引き締まって見えた。「エンゼル・ハート」で見せた悪魔役にはホントにしびれた。
この映画、基本的には「ゴッドファーザー」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」と同じマフィアものなんだけど、個人的には1級のスリラーではないかと思ってる。ここに出てくるチンピラたちはどいつもこいつも上昇志向が強い。生き馬の目を抜いてのし上がってやろうと虎視眈々と機会を窺っている。そのためには裏切りや殺しも厭わない。そのくせ友人や家族や仲間を大事にする。「ゴッドファーザー」でもそうだったけどイタリアンマフィアの映画は家族とふれ合うシーンが多い。また仲間たちとも家族ぐるみのつき合いだ。ファミリーと呼ぶだけあって彼にとって肉親や妻や子供だけでなく仲間の一族も家族なのである。
しかしそんなファミリーも裏切りにはやたらと冷酷だ。その疑いの目を向けられるといつ殺されるか分からない。彼らはいつものように笑いながら近づいてきて食事に誘ってくる。気を許せばナイフで刺されたり銃で撃たれたり首を絞められて殺される。ついさっきまで家族ぐるみのつき合いをしてきた人間にだ。マフィアだけあって殺すことにためらいはない。まるでスイカを割るように仲間を殺す。その瞳に悲しみや憎しみが宿らない。裏切ったから殺す、ただそれだけだ。彼らは妻よりも子供よりもまずはファミリーの掟を守らなければならない。
この映画でもそうやって多くの人間たちが殺されていく。しかしのし上がるためにはいつかは目上の人間やボスたちと一戦交えなければならない。ライバルが出現すればたとえそれが友人や相棒であっても消さなければならない。そんな非情な世界で芽生えた友情が濃密な人間ドラマとして描かれている。
やはりこの映画のすごいところはいつ主人公が殺されるか分からない緊迫感だろう。少年時代からマフィアに憧れていたヘンリーは12歳の頃からブルックリンの街を牛耳るボスの下で使い走りとしてスタートする。彼は仲間たちと荒稼ぎをくり返しその世界での名を上げていくようになる。その仲間の一人にデ・ニーロ演じるジミーがいる。彼はいつだって冷静沈着でリーダー的存在だ。しかし後先を考えず直情的な行動に走るトミーに手を焼いている。そんなトミーの行動が時としてヘンリーやジミーを窮地に追いやる。
とにかく彼らのやりとりは見ていて危なっかしい。ボスには忠誠を取り繕いながら裏では荒稼ぎに明け暮れる。しかしそんな彼らの歯車もやっぱりトミーによって狂わされる。彼は激情に駆られて敵ファミリーのボスを殺してしまうのだ。そんなわけで警察にはマークされて敵ファミリーには狙われてやがてはヘンリーですら長年の相棒ジミーに命を狙われるハメになる。
マフィアのチンピラにのし上がっていく前半、やがては歯車が狂い初めて転落していく後半とヘンリーの人生が濃密な人間ドラマを軸にしながら描かれる。彼らの栄光と挫折には常に緊迫感がつきまとっていて落ち着かない。登場人物も多くて誰が誰にどんな形で殺されるのかというサスペンスも秀逸だ。TSUTAYAにブルーレイで出ていたのでそちらで鑑賞。画像が美しいと映画としての面白さもアップする。ブルーレイは自宅にいながらどことなく映画館の画質の雰囲気に近い気がする。(76点)

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