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TOKYO! 【称号:愚作】

Tokyo
東京のとある街。芸術的なまでに整理整頓された家の中で、10年以上も引きこもり生活をしている中年男。ある日、ピザ配達人の美少女にひと目ぼれしてしまう彼だが、そのとき大地震が発生する(「シェイキング東京」)。(MovieWalkerより抜粋)

外国人の個性派監督による東京を舞台にしたオムニバス映画。外国人の目からみた東京の姿を描いたと思いきやそーでもないみたい。
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ポン・ジュノ(「殺人の追憶」「グエムル漢江の怪物」)、ミシェル・ゴンドリー(「エターナル・サンシャイン」「僕ら未来へ逆回転」)、レオス・カラックス(「ポンヌフの恋人」「汚れた血」)の三人の監督によるオムニバス映画だ。そこそこ映画を見ている人じゃないとピンとくる名前じゃないかもしれない。作家性が色濃いどちらかといえばミニシアター系の映画監督たちだ。もちろんいずれも優れたクリエーターであるのは間違いない。そんな彼らが東京をどのように描くのか興味あるところである。

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日本は間違いなく東京を中心に動いているが、僕たち地方に住む人間から見れば東京もまた異質だ。言語も通貨も同じ異国みたいなもの。土地に対する考えがあまりにシビアすぎる。人口密度がちょっとした市町村の100倍くらいあるのでバカみたいに狭い土地に鮨詰めになって生活している。トイレもバスルームも洗面台も脱衣所も一緒だ。どーいう生活してんだよ。先日も東京駅八重洲口近くの居酒屋さんで従兄弟数人と飲んだが通された個室を見て何かの冗談かと思った。どーみても4人席の広さなのにそこに6人座れというわけである。ユダヤ人の収容所みたいだ。東京在住の従兄弟に聞けば駐車場が1台5万円とかいう。地方の家賃なみじゃないですか。そんな土地では無理もないかと納得した。都内ではワンルームの相場が10万円、駐車場が4万円ほど。もっと安い物件もあるけどとても人間が住めるような環境じゃない。バイトや派遣の人たちとかいったい全体どーやって生活しているのか。どーして金もない人たちがそこまでして東京にしがみつくのか。まったくもってミステリだ。

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山手線は3分ごとにやってくるのにいつも満員。たいして美味くもないラーメン屋の前にはまるで軍隊で訓練されたみたいに整然と長蛇の列が出来上がっている。溜池山王までどーやって行けばいいのかなと思って東京メトロ路線図を見れば多湖輝の頭の体操みたいな迷路になっている。新宿の駅前広場に立てば大型プロジェクターやら無駄に派手なネオン看板やら「イエスを信じないヤツは地獄に堕ちろ」と淡々と語るスピーカーやら呼び込みのお兄ちゃんたちのかけ声やらあらゆる情報が視覚聴覚に混入してきてまるで洗脳を受けているような気分になる。狭い歩道を歩けば老若男女たちが容赦なく肩をぶつけてくるし、お腹が痛くなってコンビニに飛び込んでも中国人の店員から「おトイレないね」と無下に断られる。僕にとって東京は無情な異国だ。

とにかく同じ日本人の僕でさえ東京は異質に思える(逆もまた真なりだけど)ほどだから外国人の皆さんにとっては尚更だろう。アジア最大の国際都市でありながら英語もまるで通じない(僕も何度か道を聞かれたけどアイムソーリーだ) そんな彼らが風変わりな大都市をどのように描くのか。以前にも外国人視点から東京を描いた作品がいくつかある。どれも日本文化を微妙に勘違いしていて面白い。東京は遊ぶにはとってもとっても楽しいんだけど生活するには大変。これが東京という都市の面白さのポイントだ。

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しかし本作はすっきりしない。無駄に作家性が強いというかこんなの別に東京でやらなくてもいいんじゃないのってエピソードばかり。舞台が東京である必然性を感じない。NYでもパリでも水戸でも長万部でもいい。インパクトが強かったのがレオス・カラックス監督の「メルド」という2番目のお話。地下に住む正体不明の怪人が地上に現れては爆弾を投げたりして街を壊滅させていく。まるで911のテロを彷彿させる。地下が穴だらけという着眼点は面白い。東京は迷走する地下鉄や地下道、下水道、地下街、はたまた大戦中の地下壕や防衛省の秘密通路などよくぞ崩れないなあと思うほどに穴が走り回っている。これは意外と忘れがちな「東京ならでは」だろう。東京の特色はネオン瞬く地上だけではないのだ。

他の2作品は監督の独りよがりだけで凡作の域を出ない。メリハリのない退屈なエピソードだ。3つあるのだからひとつくらい傑出してもらえればよかったんだけど、つまらないお笑い芸人の競演会みたいになってしまったのは残念。役者はともかく監督の人選ミスだろう。(43点)

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