SAW5 【称号:佳作】
無名作家による低予算スリラーがブレイクして早5年。いまやLIONSGATEのドル箱コンテンツだ。個人的な感想を各作品一言ずつだと1作目は「ラストでずっこけたけどすごい!!」 2作目は「よくぞここまでこじつけた」 3作目は「ちょっと無理がでてきた」 4作目は「つまんない」でした。去年書いた4作目のレビューを読み返すと「5作目はもういいかな」みたいなことが書いてある。だいたい1作目の時点で5作目を想定していたとは思えない。おそらく3作目当たりから脚本家たちが無理やり増改築を施したのだろう。さすがに4作目当たりから破綻してくる。
というわけで5作目のスタッフは相当に困難な仕事を強いられたと思う。本作のシンボル的存在であるジグゾウは死んじゃうし拷問ゲームのネタも出尽くした感がある。そして前作まで無責任に広げてきた大風呂敷もそろそろ畳んでいかないとならない時期だ。マンネリも避けなくちゃならないし整合性にも気を配らなくちゃいかんし。さらには観客の目も肥えてきているからちょっとやそっとのトリックではビックリしてくださらない。だいたい強引な増改築をくり返してきた建物はそろそろ倒壊しそうだ。
本来終わっているストーリーを儲かるからと無理やりくり広げている印象の強い本作だけにさすがに5作目となると期待値もぐんと下がる。続編もののジンクスといえる面白順位1>2>3>4>……を忠実になぞっている気がする。「13日の金曜日」にしても「エルム街の悪夢」にしても「ハロウィン」にしてもシリーズもののホラー映画はどれも5作目がつまらない。しかし意外や意外。5作目でなんとか持ち直したのだ。
1作目を除く前作まではストーリーのまずさを残虐シーンでごまかしていた感が強い。特に4作目は明らかにそうだった。ジグゾウの脳手術シーンなどヘンにリアルだったがあれも今思えば見所稼ぎだった。しかし今回は緻密にプロットと整合性を再検証したと思われる。またソウシリーズのベースとなっているサバイバルゲームの被験者たちとジグゾウを追う警察チームの二元中継方式もきちんと演出されている。さらに捜査官ストラムの推理による回顧シーンのタイミングも実に絶妙で前作でストーリーについていけなくなっていた僕でもすんなりと受け入れることができた。
ソウシリーズの面白さのポイントはいくつかあげられるが、その中のひとつに生き残るチャンスが徹底されていることがある。サバイバルゲームはまさに拷問そのものだがジグゾウの投げかけるヒントから謎を解いていけばきちんと生還できるようになっている。これはとっても重要なことでまったく逃げ場がない状況であれば死を受け入れるしかないわけで緊迫感が薄れてしまう。今回もそれがちゃんと設定されていて、一筋縄ではいかない被験者たちのサバイバルの駆け引きにはハラハラドキドキさせられた。
またジグゾウの後継者についてもそれなりに説得力のある設定がふってあってさらに前作までの疑問点なども彼の存在によって解決するという細かいところだけど心憎い処理がなされているのだ。今回は残虐映像よりもシナリオの勝利といえる。やはりソウシリーズの肝は緻密なプロットでありシナリオだ。派手な残虐描写によるアピールだけで作品を陳腐化しないでほしいところ。次回も楽しみになってきました。ところでこのシリーズ、何作までやるつもりなんだろう?(63点)

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