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ダイアリー・オブ・ザ・デッド 【称号:凡作】

Diary_of_the_dead
山奥で自主映画を撮影中の大学生たちが、世界中でゾンビが大量発生しているというラジオ・ニュースを耳にする。下山した彼らは実際に出くわしたゾンビたちを撮影しながら、決死のサバイバルを繰り広げていく。(MovieWalkerより抜粋)

ファン待望のジョージ・A・ロメロ監督『~・オブ・ザ・デッド』シリーズ最新作。「ゾンビ映画の真打ち登場!!」と言いたいところですが……。

Diary_of_the_dead_1

興味のない人には羞恥心の解散みたいにどーでもいいことなんだろうけど、世の中にはロメロ監督版「~・オブ・ザ・デッド」を黙示録か何かと大真面目に思い込んでいる人たちがいる。彼らにとってロメロ監督の「ゾンビ」は人生のバイブルなのだ。中にはロメロ版「ゾンビ」のバージョン違いのDVDを世界中から集めているようなマニアまでいる。ロメロを語らせたら三日三晩しゃべり通すようなヤツもいる(普段は対人恐怖症のくせに)

「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」「ゾンビ」「死霊のえじき」のいわゆるロメロ3部作に陶酔し、「ランド・オブ・ザ・デッド」では失望しながらもなおもロメロの才能を信じてやまない人たち。彼らにとって本作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」封切り日は受験や結婚をしのぐ人生の大イベントなのだ。もちろん当日は身を清めて映画館に向かう。できたら家族にはしたくない人たちだ。

かくいう僕も小学生の時みた「ゾンビ」(原題:DAWN OF THE DEAD)にはTILTOWAITO級の衝撃を受けた。それは30年たった今でも些かも色あせることはなくゾンビ映画の最高峰として君臨している。なぜ彼らがそこまでロメロ監督にこだわるかといえば、ぶっちゃけ他のゾンビ映画があまりにもクソすぎるからだ。ゾンビ映画の実に99.9999999999999%は当ブログでいえば【称号:ゴミ】以下といっていい。これほど駄作率が高いジャンルも珍しい。Z級ならまだしもこれまた救いようがないほどにつまらないのだからタチが悪い。僕も相当数のゾンビ映画を鑑賞しているがまさにその時間は人生における浪費だった。だいたいゾンビ映画なんぞにうつつを抜かしているようなヤツにろくな人間はいない。

Diary_of_the_dead_2

その中でまともに見られる作品がロメロ監督というわけである。このジャンル、あまりに他の出来が悪いのでちょっとでもマトモに見られると相対的にまるで傑作のように写ってしまう。「ゾンビ」は大傑作だが他の作品は実はそーでもない。しかし相対マジックがロメロを巨匠と錯覚させているのだ。

前置きが長くなってしまったが、本作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」はロメロ監督によるいわばオフィシャル「~・オブ・ザ・デッド」シリーズというわけである。だいたいロメロ監督というおっちゃんはゾンビくらいしか取り柄がないし多作というわけでもないのでファンの期待を裏切ってはいかんのよ。

しかし今回もロメロ版の完成度としては首をかしげざるえない。そりゃ、他のゴミと比べれば一線を画す。オグシオとスエマエくらいの開きはあるだろう(ルックス面で) ただやはり正統派ともいえるロメロのゾンビを名乗るにはあまりにも物足りない。

今回は「REC」「クローバーフィールド HAKAISYA」のようなP.O.V(Point Of View)方式をとっている。いわゆる主観視点という方式だ。簡単に言えばカメラと観客の視点が一致している。劇中のカメラマンのカメラが観客の目となるわけである。手ぶれがヒドイと酔いやすいとか三人称視点が封印されるのでドラマ性が希薄になるという欠点はあるが、その代わり迫り来る臨場感はただものではない。観客はまるで自分がその場に居合わせているような雰囲気を味わえる。

Diary_of_the_dead_3

ただこれはロメロの正統派とは違うような気がする。ロメロ監督という人物に思い入れのない人たちはおそらくふつうに楽しめそうな映画だが、わずかにでも監督やゾンビ3部作を意識している人にとって本作は「ランド・オブ・ザ・デッド」以上に違和感があるだろう。

たしかに臨場感は出ているがやはりドラマが薄すぎる。同時に監督が一貫して作品に込めてきた文明批判や風刺も薄っぺらいものになっている。今回はネット情報社会に対する警鐘ととれるけど、登場人物たちがアホばかりなので説得力がないし、彼らのメッセージも底が浅い。

そしてゾンビとの攻防劇も凡庸だ。今回は「ゾンビ」のピーターに当たるアニキ役がいない。強いリーダーシップと高い戦闘能力を誇る男性が皆無なのだ。男性は何人か出てくるけどどいつもこいつもふかわりょうに毛が生えたくらい。使い物になりませんって話だ。女たちもギャーギャーわめくだけのロクデナシ。ゾンビとの攻防も戦略がほとんどなく行き当たりばったりに行動しているだけ。ピンチらしいピンチもなく気がつけば食われているような状況だ。

投資家たちもサブプライムローン問題でロメロどころじゃないのか予算がつかなかったようで今回は前作シリーズに比べてもかなりチープだ。一画面に出てくるゾンビの数も数人とやたらとすくない。画面がゾンビで埋め尽くされるあの絶望的なカタストロフもない。ロメロのゾンビは走らないというお約束は守られているが、人数が少ないとさほど危機感もない。

というわけでP.O.Vによる臨場感はそこそこ楽しめるが「ああ、やっぱりロメロのゾンビは違うなあ」という卓越が見あたらない。同じ手法を使ったゾンビもの「REC」と比べても下手をすれば食われているかもしれない。時期的にあちらが先行しているだけに斬新さもない。

やはり僕たちが期待して求めているのは少なくとも3部作クオリティ。それをできるのはやはりロメロしかいないという思いだからだ。しかし前作に続いて裏切られた感も強い。それが2作も続くと「もうロメロはダメなのかな」なーんて思っちゃう。いくらがんばっても結果がついてこない末期の高橋尚子さんみたいだ。それなら中途半端な作品で傷を広げてほしくない。本作は以前の自分を出せない監督の迷走すら思わせる。むしろP.O.Vはごまかしに思えてしまうのだ。正統派は正統派らしく本当の意味でのオフィシャルを見せてほしい。他の監督の作品だったらそれなりに満足できたかもしれないけど。残念。(52点)

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上映スクリーン数: 6オープニング土日興収: 722万円メイン館の池袋シネマサン [続きを読む]

受信: 2008年11月22日 (土) 13時33分

» ロメロ監督最新ゾンビ映画☆ 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド/DIARY OF THE DEAD』 ☆ [honu☆のつぶやき 〜映画に恋して〜]
ゾンビ映画といえばロメロ監督!なので、新作が完成したときけば、見逃すわけにはいかない(^^) 本作は『ブレアウィッチ・プロジェクト』以来度々使われているPOVで撮られてはいるけど、撮影者が映画学校の生徒って設定だったからか『クローバー・フィールド』の時のように...... [続きを読む]

受信: 2008年11月22日 (土) 23時58分

» ダイアリー・オブ・ザ・デッド/GEORGE A.ROMERO'S DIARYof theDEAD [我想一個人映画美的女人blog]
ここ数年、ゾンビも多様化。 ペットになったりストリッパーになったり3D(←これ失敗)になったり。 そんな中、ゾンビ映画の第一人者、ジョージ・A・ロメロ監督/脚本の傑作いよいよ日本上陸{/atten/} ゾンビの夢まで観ちゃうほど自他共に認めるゾンビ好きのmigですが(笑) こちら去年のトロント映画祭で上映され、大絶賛を浴びたゾンビの本家?ロメロ最新作。 字幕なしで観たため、細かい意味までは分からず普通評価にしちゃってたけど 今回来月公開を前に行われた試写で改めて観て来てただのゾンビ映画ではな... [続きを読む]

受信: 2008年11月27日 (木) 13時19分

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