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シティ・オブ・メン 【称号:良作】

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スラム街に住む18歳の少年ラランジーニャが、初めて父親との対面を果たす。一方、彼の親友アセロラは、ギャングの抗争に巻き込まれて窮地に陥る。やがて意外な事実が発覚し、2人は対立することに。(MovieWalkerより抜粋)

秀作ブラジル映画『シティ・オブ・ゴッド』の兄弟編。日本でもブラジル人街が出来上がってるような市町村もあるけど、この映画を見るとブラジル人が怖くなります。

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先入観で人種を区別したり差別してはいけないと思うがこういう映画を見るとそうは言ってられない。外交官や企業の駐在員ならともかく日本にやってくる彼らの多くは豊かでない。そんな彼らがどのようにして貧困世界を生き抜いているか。もちろん貧困層であっても大多数の人間は善良だと信じるが、ごく一部は超がつくほど極悪なのだ。小学生くらいの子供がオモチャのように拳銃を持ち歩いてニンテンドーDSを奪うために平気で人を撃ったりする。前作『シティ・オブ・ゴッド』はそんなちびっ子ギャング団の姿を生々しく描いていた。

今回も貧民街に息づく人々の物語である。ちなみに続編ではなくストーリーとしては独立しているので前作を見なくても問題はない。しかし前作があったからこそ見るという人も多いと思う。それほど前の『シティ・オブ・ゴッド』は完成度の高いブラジル映画だった。今回も同じスタッフやキャストが手がけているだけに似たようなクオリティに仕上がっている。

さて舞台はリオの超有名なスラム街・ファヴェーラ。『インクレディブル・ハルク』の冒頭で主人公が潜伏していた街である。丘を覆うそれこそ迷路みたいなスラム街の猥雑さと巨大さにハルクのCGなんかより衝撃を受けた人も多いだろう。そこら辺の文化遺産なんかよりスゴイです。みるからに無秩序(カオス)と無法の街。空撮で全体像を見せてくれるが廃墟同然のボロ家が山肌に隙間無く詰め込まれて笑っちゃうほどに広大だ。内部に入っていくと街全体が公衆便所みたい。画面から悪臭が伝わってきそうだ。

ファヴェーラは19世紀の戦争で兵士たちがこの丘に住居を建てて生活するようになり行政の正式な住宅の供給を待っていたものの許可が下りずに結果的に不法占拠という形で現在に至る。名前の由来は不明だがそこにあった植物の名前、または先住民の祖国にあった丘の名前などといわれている(ウィキペディアより参照)

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中の人は呆れるほどに貧しいくせに妙に明るい。治安だって最悪だ。「うちの父ちゃんはいきつけの酒屋のオヤジに殺された」とか「ボクの姉ちゃんはトシ坊の兄貴にレイプされた」なんて話が当たり前のように出てくる。狭い世界だけに犯罪も内輪の出来事だ。それだけにスラムは憎しみが渦巻いている。なのにどうしてこいつらはこんなに陽気なんだ?? 人を殺すときも陽気だ。陽気に殺されちゃ浮かばれない。

物語は少年ギャング団同士の抗争を背景にスラムに住む二人の若者アセロラとラランジーニャの友情が描かれる。それにしてもギャングのやつらときたら容赦がない。縄張り争いのためには武装して街中で平気で発砲するし市民だって巻き添えにする。敵の親族の家に火を放ったりする。ここではいつ命を落とすか分からない。善良な市民が理不尽な理由で殺されることはこの世界では日常である。

二人の青年はギャングの抗争に巻き込まれながらも決して悪には染まらない。他人を傷つけず家族を守りながらなんとか自身も生き延びようとする。この二人の関係も複雑だ。ラランジーニャの父親はアセロラの父親に殺された。父親が加害者と被害者という間柄なのだ。しかし二人の間にジメジメとした怨恨劇は生まれない。日常が悲劇だけに多少のことではケロッとしている。そうでなければこの世界ではとても生きていけない。

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また大多数の住民は善良であるのにこの世界では犯罪に荷担させられてしまう。そのプロセスもきちんと描かれていて興味深い。この世界では時として自分が生き残るために善良であることを捨てなければならないことがある。そうでなければ自分が命を落とす羽目になる。そしてそのことはここに住む誰もが知悉している。だから「トシちゃんがマッチを殺した」なんて噂が流れても「ふーん、そうなんだ」ってなもんである。アセロラもそんな立場に陥るが彼の立ち振る舞いがちょっとしたサスペンスになっていて面白い。

前作は陽気ながらなんとも救いのないスラム世界を描いていたが今回では二人の友情やアセロラの子供の存在など悲劇の中にも希望を感じさせる。「この世界からは抜け出せないぞ」というネガティブなものではない。粗末な広場でサッカーに興じている子供たちから将来のスタープレーヤーが生まれるんじゃないかと思わせるエネルギッシュさがある。

ストーリーもさることながらスラムライフのリアリティがこの映画の一番の見所だ。そこに息づく人々の生活のリズムが遠くの国に住む僕たちにも生々しく伝わってくる。それもそのはず。俳優も現地の人間を使い極力演技をさせないで彼らの日常を見せている。彼ら一人一人がスラム街の細胞でありその構成体であるファヴェーラは生き生きと脈動している。この街がどこか魅力的なのはただ広大なだけでなく街そのものが生き物だからだ。

正直言って前作『シティ・オブ・ゴッド』の二番煎じという印象もある。衝撃も前作の方が大きい。しかしその高いクオリティがそのまま引き継がれているので十分に楽しめた。それにしても日本人が抱えている深刻な不安というのは他国からすればオママゴトみたいなものだ。(72点)

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1960〜1980年代にかけてのリオデジャネイロ、貧困にあえぐスラム地域を舞台に、 強盗、麻薬ディーラーなどをして金を稼ぐモレーキ(ストリートチルドレン)たちの抗争が 実話を基にして描かれたフェルナンド・メイレレス監督の2002年作品『シティ・オブ・ゴッド』 ずっと気になっていながらも観たのは最近。映画として傑作!と呼ぶに相応しい作品だと思った。 舞台が同じだし、これはてっきり同監督で続編なのかと思ってたけど違った。 フェレナンド監督は今回製作にまわり、メガホンをとったのは、「シティ・オブ・ゴ... [続きを読む]

受信: 2008年8月20日 (水) 14時27分

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