カメレオン 【称号:愚作】
松田優作へのオマージュとでも言いたいんだろう。たしかに作品のコンセプトはヒシヒシと伝わってくる。良くも悪くもまるで昭和の東映アクションみたいな安っぽさ。登場人物のキャラクターも笑っちゃうほど陳腐だ。いまどき旅芸人一座の詐欺グループってどうなのよ??
もちろんこの安っぽさや陳腐さは確信犯的な演出だ。バイオレンスもカーアクションもやっている本人たちは大マジメだがどこかコントみたいだ。今回は藤原竜也くんが松田優作ライクな役を演じているがはっきり言って全然なじんでない。あの童顔で松田優作をやるととってもおマヌケなのだ。これもたぶん狙ったものだろうと思う。
昭和の東映アクションや松田優作へのオマージュはいいが、ただ「それらしいものを作りました」では単なる猿まねに過ぎない。それも劣化猿まねだ。この映画を見ると「昭和のアクションはこんなにバカだったんですよ」とか「いまみると松田優作なんてただのマヌケでしょ?」と言っているようにしか思えない。むしろオマージュというより古き良き時代の作品や役者たちをコケにしているような気がする。もっとも当時の松田優作のスタイリッシュ性は今見ればマヌケ以外なにものでもないけど。

やはりここは模倣をベースにしながらも斬新性を見せてもらいたかった。現代を舞台にした昭和活劇だけどアイディアはそれだけなのだ。そしてやはり藤原竜也くんの松田優作ライクは最後の最後まで違和感が残る。あんなきれいな顔をして外人部隊の元傭兵だったとか言われてもまったく説得力がない。内面からにじみ出てくる凄みが感じられないのだ。どんなに粋がっても屈折した青年止まりである。演技も今ひとつバカになりきれてない印象が強い。松田優作がみせるヘンチクリンな格好良さがないのだ。シナリオをお行儀よくおりこうさんにこなしているだけ。このチグハグさも製作者サイドの狙いかもしれませんが……。
だからこの作品はオマージュよりもパロディとして見た方がいいかもしれない。パロディとしてみれば昭和のバカバカしさやマヌケさはそれなりに描かれている。『西部警察』みたいな無駄なカーアクションも脈絡がなくて笑えるし、一度死んだと思われる人間がなんの説明もなくラストでピンピンしているのも然りだ。どこまでマジでどこまでおふざけなのか分からないあたりが面白いのかな? 羞恥心みたいな映画だ。
というわけでオマージュとして見れば劣化猿まね、パロディとして見ればまあまあそこそこといったところか。どちらにしても出演者のファンでもないかぎり劇場まで出かけて見るような映画じゃないと思う。(43点)

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コメント
わかってないなぁ
その色眼鏡はずしてもう一回見てごらんよ
猿まね猿まねって先入観で表面だけなぞって見るのやめてさ
投稿: 辻本 | 2008年7月 9日 (水) 21時58分
松田優作知らなくて良かった。
先入観で作品をまっすぐ見られないなんて
つまらない。
年を取ると自分もやがてそうなっていくのかなぁ?
投稿: とと | 2008年7月23日 (水) 21時54分