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歓喜の歌 【称号:佳作】

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町の文化会館に勤める飯塚は、明日の大晦日のコンサートに、まぎらわしい名前のママさんコーラス・グループをダブル・ブッキングしたことに気づく。双方とも頑として出演を譲らず、調整役の飯塚は板挟みになっていく。(MovieWalkerより抜粋)

このニュースはまさにタイムリー!! 主演の小林薫さんはこういうちゃらんぽらんなヘタレ男を演じさせたら一流です。それにしても年末に上映すべき映画でしょう。

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原作は立川志の輔の新作落語。ダブルブッキングで大もめにもめる町の文化会館で職員たちが右往左往するドタバタ喜劇だ。こんなことが本当に現実でも起こっているから面白い。さて現実の事件ではきちんと「餃子」があったかどうか。その餃子も中国の殺虫剤混入で大騒ぎだ。いろんな意味でタイムリーだと思う。

この映画、笑いも涙もほどよい湯加減なところに好感が持てる。おじちゃんおばちゃんでも安心してみていられる典型的な人情喜劇である。最近は独りよがりな笑いや強引なお涙頂戴ばかりで人情ドラマも一筋縄でいかないものが多い。そんなときこういう正統派というか当たり前の人情喜劇を見るとホッとする。本作はこれといったひねりもないし大げさな演出もないので見た目は地味であるがそれだけに客を選ばない安心感がある。そこらのお笑い芸人のコントよりもずっと楽しいし、笑いの中にもホロッとした感動が味わえる。

特に世知辛い世の中でこういう人情喜劇はもっともっと注目されるべきだし、本来日本映画の得意とするジャンルのはずだ。ただどうしても地味になってしまうので客入りが悪そうなのが難点か。かといって人気アイドルや俳優たちで華やかに固めてしまうと雰囲気が変わってしまいそうだ。この手の映画は地味で堅実なところがポイントだと思う。実は観客は老若男女問わずこういう映画を求めているんじゃないか? ただ地味だから見に行くきっかけがないだけで。

まずはキャラクターがいい。小林薫演じる飯塚はいかにも事なかれ主義の公務員だ。仕事のクオリティにはこだわらずとにかく無事に済んでくれれば万事OKと思っている。そんな彼がダブルブッキングというトラブルに巻き込まれてしまう(といっても自業自得だけど) 最初はなんとか「なあなあ」でやりすごそうと考えるが、ダブルブッキングされた名前の似通った2つのママさんコーラスは一歩も譲らない。さらに彼は金銭問題や離婚など複合的なトラブルを抱えている。さすがに無責任ではいられないということで解決に奔走するわけだ。ダメ人間ががんばる姿と見ている方としては無条件に応援したくなる。
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彼は本当にヘタレだがヘタレなりに一生懸命やっている。自分の失態に対するフォローこそが彼の言う「餃子」だ。ラーメン屋の娘が持ってくるお詫びの餃子のエピソードは道徳教材としても実に優れている。「オレに足りなかったのはこの餃子だったんだなあ~」と反省する飯塚のつぶやきはまさに至言だ。このエピソードのおかげで彼の奔走ぶりに説得力が生まれる。なによりこの餃子を持ってくる娘の台詞はやたらと感動的だ。しかし彼の奔走は終盤になって暴走気味になる。これがどこかちゃらんぽらんで憎めない。一生懸命やっているけど口先三寸なところも抜けない。

またママさんコーラスのおばちゃんたちも実にキャラが立っている。二つのグループは庶民派とセレブ派と格差があるがそれぞれに人間的魅力を持っているのだ。特に庶民派のリーダーである女性を演じた安田成美さんは素晴らしい。庶民派には少し美しすぎる気もするが見ているだけで元気になれるような空気を持った女性を魅力たっぷりに演じている。彼女に励まされながら妻に罵られながら奔走する飯塚という構図が笑いと感動の効果になっているのも見物だ。

とはいえ若干リアリティにかけるシーンもある。特に市長さんのランチュウを窃盗に行くシーンなどコメディになっているが何の罪もない警備員さんの責任問題を考えると笑うに笑えない。ここら辺はすこし悪のりしすぎという感じがする。

というわけで地味ながら正統派の人情喜劇。役者さんたちも典型的なバイプレイヤー揃いだが皆さん巧いので安心して見ていられる。ただキャストにしろセットにしろあまり金がかかっているようには見えないのでテレビドラマでもよかったような気がする。劇場の臨場感をアピールしたいならラストの大合唱のシーンはもう少し迫力がほしい。(60点)

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コメント

こんばんは♪
TBありがとうございました!

いま注目の的「ギョーザ」がターニングポイントとなっていたのがなんとも可笑しかったですね~。
あれはもちろん自家製でしょうが。
私もラストのコンサートシーンがもうちょっと迫力があればな~と思いました。
ママさんコーラスだからあの程度で仕方ないのでしょうね。

投稿: ミチ | 2008年2月 5日 (火) 19時35分

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