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ネガティブハッピー・チェンソーエッヂ 【称号:愚作】

Negative_happy_chainsoo_edge
平凡な高校生の陽介の前に、制服姿の美少女、絵理が現れる。彼女は毎晩、チェーンソーを振り回す不死身の男と戦っていた。彼女を守ることが生きがいと感じた陽介は、絵理を助けるため“チェーンソー男”との戦いに挑む。(MovieWalkerより抜粋)

滝本竜彦の人気小説を映画化した青春アクション。チェンソー男となぜか闘う美少女を応援するヘタレな高校生のお話。どーでもいいから勉強しろ。

Negative_happy_chainsoo_edge_1

大ヒット映画がある反面、極端にコケる映画もあるが本作はそんな感じ。公開初日にもかかわらず広い場内には5人くらいしかお客さんがいなかった。役者に人気がないのか前宣伝が悪かったのか初日に大行列ができる映画との差はなんだろう?? こういう状況を見る限り、地方都市でミニシアター系をかけるのはリスクが高いなと思ってしまう。映画一つとっても格差を感じてしまう現代だ。

さて本作の冒頭はいきなりである。平凡な毎日にうんざりしている高校生・陽介は夜の公園でチェーンソーを振り回す巨漢と闘っている美少女と出会う。といっても変態キチガイに襲われている女子高生というシチュエーションじゃない。両者とも人間離れした体術を駆使して死闘をくり広げちゃっているのだ。さらにチェーンソー男は心臓にナイフが突き刺さっても死なない。やがて戦況が悪くなると男は月夜に向かって飛んで姿を消す。

陽介はそんなヒロイン絵理に惹かれてしまう。鬱屈とした毎日を送っている陽介は彼女を守ることに生きる目的を感じたのだ。しかしヘタレな彼は絵理にとって足手まといにしかならない。そんな陽介を最初は疎ましく思う絵理だが、しつこくつきまとわれるうちに情が移ってしまう。

原作は小説だがどちらかといえばアニメや漫画よりな内容だ。憂い顔の美少女ヒロインが闘いを余儀なくされるとか彼女のツンデレぶりもアニメオタクっぽい連中のツボをついているように思う。とりあえず冒頭からのツカミはOKだ。なんの説明もなしにいきなりチェーンソー男との死闘を見せつけられる。チェーンソー男が何者でヒロインはどうして闘っているのかさっぱり分からない。チェーンソー男もすごいが絵理の動きも忍者みたい。冒頭からこういうシーンを見せられるとおのずと期待はふくらむ。

同じようなシーンがこの先随所に挿入されるが物語がさほど面白くならないのが残念だ。対決シーンは現代らしくワイヤーアクションとCGを駆使してダイナミックに描かれる。ヒロインを演じる関めぐみさんの凛とした表情がアクションになじんでいるので多少動きが嘘っぽいがそれなりに迫力はある。またチェーンソー男のデザインも秀逸で黒ずくめで表情の見えない巨体は不気味さと怖さと強さを感じさせる。この二人の戦闘シーンが本作の最大の見せ所であるのは言うまでもない。
Negative_happy_chainsoo_edge_2

しかし残念ながらそれ以上には楽しめなかった。物語はチェーンソー男との死闘に主人公陽介の青春をからめて展開していく。チェーンソー男の荒唐無稽ぶりは面白いが、主人公の青春パートがビミョーなのだ。陽介のかかえる日常の鬱屈は「ただひたすら毎日がつまらない」という若者特有のもの。彼の場合、勉強や趣味に打ち込むわけでなくただダラダラと時間を消費しているにすぎない。学校をさぼって万引きして日常にせめてもの刺激を求めている。自分の学生時代と比べて似たり寄ったりだが(万引きはしてませんけど)そんな鬱屈を物語にしてもさほど面白味がない。彼にしてみればチェーンソー男との死闘は単なる暇つぶし。その死闘を通して精神的成長が窺えるわけでもない。

それだったらチェーンソー男との闘いに力を注いでほしいがこちらもビミョーに中途半端だ。随所に戦闘シーンが入ってくるも尻切れトンボに終わってしまい次のシーンには「はい、おつかれさん」と二人でくつろいでいる。困ったことに最終バトル以外、回を追うごとにスケールダウンしていくのでだんだん退屈になってくる。それからしばらくはつまらない陽介のエピソードが垂れ流されるわけだ。いちおう死んだ友人を乗り越えるなど彼なりの人生目標が描かれているが、乗り越えたからといって「だからどうなの?」ってなもんで彼の思想にはまるで意義が感じられない。どーでもいいことを小難しく考えて悩んだふりをする若者特有の自己満足だ(僕もかつてはそーでした) 

幼稚で未熟な若者が主人公だけに視点も思考もそのレベルで展開していく。30代以上の人が『恋空』を見るとうんざりするようだが、それと似た成分をこの映画には感じる。『恋空』のヒロくんがそのままで出ているし。そんなくだらないことをやってないで「勉強しろよ」と言いたくなるドラマだ。(43点)

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