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2007年映画ベスト10

2007年に劇場公開された作品の中で僕が鑑賞した映画からベスト10を選んでみました。
作品本位よりもインパクト重視です。特に「まったく期待してなかったのにすごく良かった」とか「駄作だと思っていたのに傑作だった」という作品がポイント高いです。タイトルにリンクの貼ってある作品のみ詳細レビューが読めます。

第10位 恋空
Koizora1
この作品をベストにいれてしまうなんてジョークみたいだがどーしても入れたかった作品。よく劇場のマナーCMに「ケータイの電源をお切りください」と流れるが「ケータイ小説の映画化はやめてください」と言いたい。それにしてもこんな知能指数が半減してしまいそうなバカバカしい原作をよくぞここまで見られる映画に仕上げたものだ。これはもはや奇跡に近い。実はこの映画を見て僕は涙を流してしまった。よくぞこんなモラルハザードで幼稚な恋愛で人を泣かせるものである。ある意味すごい技術だと思う。彼らが政府PRを手がければ国民を戦争に向かわせることも可能だと思った。怖いぞ。


第9位 善き人のためのソナタ
Yokihitonotame_no_sonata
ここ最近はドイツ映画が赤丸急上昇だ。硬質ながら味わい深くそれでいてちゃんとストーリーが面白い。本作もアカデミー外国賞受賞作品だが見事な作品だ。ホーネッカー書記長官のもと秘密警察シュタージに抑圧されていた東ドイツの姿を描いている。暗黒の歴史を持つ東ヨーロッパの映画はどれもクオリティが高い。他にも『パンズ・ラビリンス』『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』などオススメだ。


第8位 しゃべれども しゃべれども
Syaberedomo_syaberedomo1
なんといってもTOKIOの国分太一くんの落語には驚かされた。落語をモチーフにした良質の人間ドラマだ。脚本も面白いが特に優れているのが絶妙なキャラクター設定だろう。そしてそれ以上に国分太一くんの演技が光りまくっている。ただのジャニーズアイドルだと思っていたがこれを見れば彼に対する見方が変わる人も多いと思いますよ。ときどきポンとこういう良質作品が大作のすきまに出てくるから油断ができない。邦画は大作系は今ひとつだがこういうミニシアター系ががんばっていて頼もしい限りだ。


第7位 孔雀 我が家の風景
Kujaku_wagaya_no_hukei
こちらも何気なく見たが強く印象に残った作品だ。一歩間違えれば監督の独りよがりになりそうな作品なのに映像的な美しさはそのままに物語も一見淡泊だが何気に面白い。中国文化大革命直後の貧しい街並みなのにどこか心地よい風景が広がる。中国人でもないのにノスタルジーを感じてしまう作品だ。男二人女一人の3人兄妹弟だが一番マトモだった人物が堕落して一番救いのない人物が堅実な人生を送るという皮肉な展開が面白い。映像に作家性を強く感じるもちゃんとストーリーも楽しめるという優れた作品だ。中国映画も侮れません。


第6位 この道は母へとつづく
Konomitiha_hahahetotuduku
こちらはロシア映画。『母をたずねて三千里』と『逃亡者』を掛け合わせたような映画。特に『逃亡者』としてのエピソードが抜群に面白い。なぜなら主人公はまだ6歳なのだ。彼は母に会うため孤児院を脱走する。字もろくに読めないし鉄道の乗り方だって分からない。しかし追っ手は確実に迫ってくる。彼は6歳の知恵を駆使して難局を乗り切っていく。見た目は心温まる人間ドラマだが実は実は1級サスペンスだと僕は思っている。まだ見ぬ母親を求めてギリギリのサバイバルを切り抜けていく少年に観客は手をさしのべたくなるだろう。それほどまでに愛らしく切ないお話しだ。うーん、ロシア映画も侮れませんなあ。


第5位 陸に上がった軍艦
Oka_ni_agatta_gunkan
日本最高齢の映画監督・新藤兼人さんが戦時中に体験した回想録。いわゆる弱兵とよばれる人たちにスポットを当てている。彼らは30を過ぎてから招集をかけられた。もちろん妻子持ちもいる。そんな彼らの上官はまだ18になったばかりの少年だ。弱兵たちは上官とはいえそんな少年たちから理不尽な体罰をくり返しうけることになる。いわば弱兵とは敗戦濃厚となった日本の兵隊さんたちにおけるストレス解消のはけ口。そんな回想を新藤監督は面白可笑しく語る。かなり悲惨な戦争体験なのにどこかすっとぼけていて笑える笑える。多くの人が命を落とす戦争は視点をちょっと変えるだけでとってもコメディなのだ。悲劇ばかり見せるのもいい。しかし語り口をちょっと変えてみることで見ている者たちに戦争の愚かさが伝わるんじゃないかと思う。終始笑いが絶えなかったが戦争の悲劇もしっかり受け止めることができた。それでいて映画として面白のだからすごい作品だと思う。


第4位 街のあかり
Mati_no_akari
さてさて今度はフィンランド映画だ。ここ最近、北欧ブームがきていると思う。『かもめ食堂』で北欧づいたひとも多いんじゃないかな。本作はそのフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品だ。舞台はもちろんヘルシンキ。ストーリーはこれといってたいしたことはない。しかしこの映画、やたらと雰囲気がいいのだ。主人公の男のやせがまんと北欧の風景が見事にはまっている。そしてどこかクラシカルな映像も作品の格調を上げている。ダラダラみていてもいつの間にか惹きつけられてしまう、そんな映画だ。これを見てアキ・カウリスマキ監督に興味を持った人も多いだろう。いい意味でのヨーロッパ映画だと思う。今年はヨーロッパ映画が面白かった。


第3位 マリと子犬の物語
Mari_to_koinu_no_monogatari1
バカにしてみていると思わず返り討ちにあってしまうお涙頂戴映画。見るからに文部科学省推薦っぽくて少なくとも大人の皆さんは子供の保護者としてでもない限り見に行くことはないと思うがそれは実にもったいないことである。僕もいつもの動物愛護映画だと思っていたが思いがけない良質ぶりに驚いてしまった。とりあえず子役と犬の演技が神懸かっているのだ。深い感動をうけたことが場内からも伝わってくる。優れた映画を見た後の観客たちはエンドロールが流れてもしばらく席を立つことができない。感動の余韻をじっくりとかみしめているのだ。僕の観た回のお客さんたちはまさにそれだった。子供向けだからと決めつけて見逃してしまうには惜しい映画です。大人一人で行っても十分に感動できるし楽しめるでしょう。日本映画が好調と言われるのはこういう良質な作品がコンスタントに出てくるからだ。


第2位 キサラギ!
Kisaragi
まさに脚本の勝利というべきか。舞台は倉庫の一室。登場人物は5人だけ。こんな限局されたシチュエーションでもこれほどまでに面白い映画ができるのだ。こういう作品を見ると映画は制作費じゃないんだなとつくづく思わされる。どんなに低予算で無名でもアイディア一つで大作を凌駕できる。このお話、一見バカバカしそうだがきわめて緻密に設定されている。伏線も全編にわたって張りめぐらされてそれらは絶妙のタイミングで回収される。登場人物の何気ない一言や行動があとで大きな意味を持っていたりするのだ。物語の中で大どんでん返しが連発するがそれらも単なる捨てトリックにすぎない。とはいえその一つ一つは他のミステリ映画ならラストの真相に使えそうなクオリティを持っているのだ。それでいてフェア。整合性にも問題がない。それらを惜しみなくミスリードに使ってしまうあたりただ者ではない。終盤において若干蛇足を思わせるもたついた演出があるがそれを差し引いても今年の上位ランキングは崩れなかった。これから見る人はなるべく予備知識を入れずに見ることをオススメする。


第1位 河童のクゥと夏休み
Kappa_no_kuu_to_natuyasumi
いやはや、今年は子供向け動物愛護映画が上位に二つもランキングしてしまった。この手の映画ははっきり言って惰性で見ることが多いので期待値はまったくゼロだ。だいたいこの映画の予告編やポスターを見て期待しろという方が無理だ。だって河童と子供のふれ合いだよ。まだETやグレムリンなら分かるが河童ですよ。予告も見るからに文部科学省推薦。親が子供の情操教育のためにイヤイヤ連れて行くタイプの映画だと思う。しかしミラクルが起こった。なんと僕にとって2007年ナンバー1になってしまったのだ。『マリと子犬の物語』もあまりの良質ぶりに吃驚したがこの映画のあとだったのでやはりインパクトに欠ける。そしてこの映画はやたらと奥が深いのである。一見子供向けアニメだが実は大人に向けて作られた社会派なのである。子供の視点よりも大人の視点で見た方が遙かに感動できる。思うに子供連れで見に行った人も子供よりも親の方が感動したんじゃないかと思う。そしてこの映画がランキング1位になってしまった理由に「なんでこの映画がここまですごいんだ」というインパクトが大きい。今年もいろんな良質映画が出たがそれは見る前から感じ取れることが多い。正直まさかここまで優れているとは前知識から想像がつかなかったのだ。僕にとってこの作品は大いなるひと夏のサプライズだった。


次点
世界最速のインディアン
パリ、ジュテーム
ブラックブック
ブラッドダイアモンド
東京タワー
ラブソングができるまで
明日、君がいない
見えない雲
犯人に告ぐ
厨房で逢いましょう
エディット・ピアフ 愛の賛歌
私のちいさなピアニスト
ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた


ちなみに2007年ワースト10はこちら


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年間ベスト&ワースト」カテゴリの記事

コメント

こちらでも「河童のクゥ」が・・・
クレヨンしんちゃんの監督さんですよね?
なんだか悔しいです。単なる見落とし。
「孔雀」と「この道」もチェックしときま~す♪

投稿: kossy | 2007年12月31日 (月) 19時51分

★kossyさん

『河童のクゥ~』は他でも評価高いんですか。感動したのは僕だけじゃなかったんですね。絶対的にオススメですが子供向けアニメだからすすめにくいですね。

投稿: 管理人 | 2007年12月31日 (月) 20時39分

おお~街のあかりと善き人のためのソナタとこの道は自分のベスト10にも入ってます!!個人的にはブラックブックと天然コケッコーも大好きでした。なんか趣味合いそうなので今度映画館とか知らない内に一緒するかもしれませんね♪レビュー大好きなんでこれからも楽しみにしてます!!

投稿: ヒデ | 2008年1月 1日 (火) 02時20分

★ヒデさん

はじめまして。本当に好みが似てますね。ブラックブックも天然も大好きですよ。これからもよろしくお願いします。

投稿: 管理人 | 2008年1月 1日 (火) 13時29分

こんにちは☆ TBありがとうございました。

昨年もお世話になりました。
また、いつもTBのみで申し訳ありませんでした。

去年も色んな作品が公開されましたね。
今年も素敵な作品に出会えますように。
どうぞよろしくお願いします。

投稿: non | 2008年1月 1日 (火) 14時54分

あけましておめでとうございます♪
昨年途中からではありましたが、大変お世話になっておりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
『恋空』は未見なのですが、ちょっと見てみたくなりました(笑)
『陸に上がった軍艦』は公開を待ち望んでいました。
戦争物は欠かさないのですが、昨年は『ヒロシマナガサキ』や『夕凪の国~』などと共にとても心に残りました。

投稿: ミチ | 2008年1月 2日 (水) 10時45分

こんばんは☆
ベスト10本のうち、みごと9本が未見です!
DVDで必ずやチェックしてみます。

今年もたくさんのいい作品に出会えるといいですね♪
またよろしくお願いします。

投稿: きらら | 2008年1月 2日 (水) 23時02分

★nonさん
こちらこそお願いします。TBだけでもいいのでお付き合い頂けたら幸いです。

★ミチさん
『ヒロシマナガサキ』は残念ながら見てませんが『夕凪の国~』は僕も見ました。戦争映画は作り手も真摯なだけに良質な作品が多いと思います。

★きららさん
よろしかったらご鑑賞ください~。またあなたのブログで感想を読ませてくださいな。

投稿: 管理人 | 2008年1月 4日 (金) 15時37分

あけましておめでとうございます。

ブロガーが選んだ映画ベスト10というのを調べて、こちらのベスト10も集計に加えさせてもらいました。今年は近年稀に見る混戦で、面白かったですが、しんどかったです。ぜひご覧下さい~。

投稿: aq99 | 2008年1月 9日 (水) 21時31分

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